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連続鋳造用金型は鋳造物(鋳片)を冷却する為に、熱伝導率がよい銅が起用されています。銅は金属の中では比較的柔らかい為、鋳片と擦れることで摩耗が発生します。また鋳片からの被熱(数百℃)や操業条件によっては腐食が発生します。それらの課題をクリアする為に、コバルト合金めっきを開発しました。過去、摩耗性対策としてクロムめっき、腐食対策としてニッケルめっきが採用されていました。しかしニッケルめっきHv=200程度なので耐摩耗性にはすぐれず、またクロムめっきはHv=850程度あり耐摩耗性には優れますが、硬いので被熱による「割れ(クラック)」が発生するなどの課題がありました。コバルト合金めっきは、耐熱性に優れ、Hv=300程度あるためニッケルめっきよりも耐摩耗性に優れています。ニッケルめっきと比較すると若干耐食性は落ちるものの、コバルト合金めっき単層で多くの外的負荷を低減させることができるため、連続鋳造用金型に採用されています。