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素材の金属種とめっきする金属の液の種類によって、脱脂洗浄や酸洗い(活性化)だけではめっき皮膜の密着性が得られないことがあります。その原因は、ステンレス鋼のように酸類で活性化してもその後の洗浄工程で再び酸化皮膜を張ってしまう場合やイオン化列が離れすぎて化学置換が優先して置換皮膜が析出する場合、さらには物品が複雑な形状をしていて皮膜の被覆力を一時的に増す必要がある場合の3点でございます。2番目の例は、銅素材へのシアン化浴からの銀めっき、鉄素材への硫酸銅めっきであり、最後の例はクロムめっきに見られる表面凹凸の大きい梨地面や彫刻加工面に適用するめっき開始直後の高電流での短期間のめっきであります。ストライクめっきとは、一般的に金属濃度が低い特別な浴組成により、比較的高電流密度で数秒から数分聞の短時間でめっきすることをいいます。従いまして、めっき厚さも薄く、電流効率が低いために発生する水素ガスによる洗浄効果も期待できます。当社で取り扱っているストライクめっきの種類としては、主にクロム、ニッケル、銀、銅が挙げられます。