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クロムめっきは、高硬度(Hv=800~900)、耐摩耗性、耐食性(防錆)などに優れ、工業用ロールなどで広く使用いただいています。しかしクロムめっきにはいくつか弱点が存在します。今回はクロムめっき製品を取り扱ううえで2点注意事項を記載します。1点目として、クロムめっきは塩素(化合物含む)が付着すると容易に溶けてしまいます。その為、ご使用される環境に塩素が存在する場合には、クロムめっき製品は使用しないでください。2点目は、クロムめっき自身にひび割れ(クラック)が存在していることです。クラックに腐食成分が侵入すると、下地(母材)を腐食してクロムめっきを剥離させてしまうことがあります。クラックは熱を受けると大きく広がるため、腐食成分が存在しなおかつ高温雰囲気では使用しないでください。前者は抜本的にクロムめっきの使用が難しいですが、後者はその他表面処理を組み合わせることで対策を講じることが可能です。