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スズは、融点が231.9℃と低く、はんだ付け性が良好であり、古くからはんだの成分として著名であります。また食品等に含まれる有機酸にも耐え、人体に対する毒性が他の金属と比べて少ないと言う特徴があります。

スズめっきとして電子部品、ブリキ板として鋼板にめっきされたり、食器などに用いられております。変わったところでは、潤滑皮膜として軸受けに適用されております。スズめっきの特徴として、放置しておくとウィスカーと称するヒゲ状の針状単結晶が成長し電気回路を短絡させるなどの問題が知られており、最近までは鉛と合金化することでウィスカーを防止しておりました。しかし、鉛が有害物質として嫌われるようになり、その代替として鉛の代わりに銅やビスマス、銀などの金属が利用されるようになりました。

スズめっき浴を大別すると酸性浴としては硫酸浴、ホウフッ化物浴があり、アルカリ性浴としてはスズ酸のナトリウムやカリウム塩浴があります。また、中性浴も知られておりますが、その多くは市販浴となっております。酸性浴は2価のスズイオンから電着し、効率は良いのですが、すぐさま酸化されて4価のスズイオンとなりやすく、浴はすぐさま白濁します。従いまして、空気攪拌は不可でカソードロッキングなどの機械的方法での対応が必要になります。一方、アルカリ浴は、4価のスズイオンから電着しますので酸化の問題はございませんが、めっき速度は酸性浴と比べて遅くなります。