製品属性(仕様)

付加
特性
耐摩耗性 表面
処理
クロムめっき
業界建機 サイズ
重量
Φ600×2000など
加工
サービス
表面処理 母材鉄など

製品画像(様子)

特徴

建機(建設機械)は主に野外で使用されることが多く、大気中のチリなどのゴミや場合によってはジャリなどに触れる場面もあります。強度面からも建機本体は鉄系の材料で製作されていますが、外部からの異物に触れることで傷が入ったり強度を低下させたりすることもあります。外装部は塗装などでもある程度保護することも可能ですが、油圧ピストンなどによるアームなどの摺動部は塗装ではすぐに剥がれ落ちてしまいます。摺動部に傷がつくと建機の性能を落とすだけでなく、最悪の場合破損してしまうこともあります。

そこで建機の摺動部(ロッド※1)には、耐摩耗性向上および傷を減少させるために硬質クロムめっきが施工されています(※1:ショベルカーのアーム付け根などにある光沢のある棒などのことです)。硬質クロムめっきは、Hv=800以上と非常に硬く耐摩耗性に優れています。また硬質クロムめっきを施工した面を高精度(円筒度、真円度、振れ)かつ平滑性のある面(Ry=0.8以下など)に仕上げることで、摺動個所の滑り性もよくすることができます。耐摩耗性と滑り性がいいことから、建機に限らず摺動性が必要な部品(ピストンロッドなど)に多く採用されています。

建機に使われる摺動部ロッドの大きさは、その用途に応じて様々です。野村鍍金では最大でΦ1000×12000と非常に大型のめっき槽と円筒加工機(旋盤、グラインダー研磨、バフ研磨など)を保有していますので、様々なサイズの製品に対応が可能です。また寸法は少し小さくはなりますが(Φ600×3500程度)、硬質クロムめっきよりもさらに硬く耐摩耗性に優れる「R62(Hv=950以上)」というめっき設備も保有しています。

使用環境によっては耐摩耗性だけでなく耐食性が求められるケースもあります。硬質クロムめっき(もしくはR62めっき)を施工することで、鉄(本体)のままよりは耐食性を向上させることも可能であります。