製品属性(仕様)

付加
特性
親水性 表面
処理
親水性クロムめっき
業界フィルム・製紙など サイズ
重量
要相談
加工
サービス
表面処理 母材鉄材,アルミ,SUSなど

製品画像(様子)

特徴

当社で取り扱っているクロムめっきは、めっき析出過程での応力開放により、左写真のようなマイクロクラックが発生します。このクロムめっき層にあるマイクロクラックは、水分や腐食を促進する気体(塩素、亜硫酸ガスetc.)の侵入経路となり、一定期間経過後に素材を侵食してしまいます。クロムめっきに生ずる腐食トラブルは、大抵がクロムめっきに存在するマイクロクラック起因の腐食形態であり、鉄鋼材料に被覆したクロムめっきに多く見られます。
しかしながら、このクロムめっきのマイクロクラックを敢えて大きく広げ、親水性や保水性を付与させた皮膜として、使用されることもあります(右写真をご参照ください)。当社では、親水クロムやポーラスクロムといった名称で取り扱っております。用途例としては、例えば内燃機関のシリンダーに適用されて、潤滑油を保持する機能を目的として採用された実績がございます。また、別の用途例では製紙業界やグラビア印刷業界でアプリケーターロールとして利用されております。
マイクロクラックを広げることで通常のクロムめっきの皮膜よりも早く腐食してしまうのではないかという心配があるかと思いますが、下地にNiめっきを施すことによって腐食が緩和されます(Niめっきにはマイクロクラックが存在しません)。また、マイクロクラックを広げる工程(ポーラス処理)の段階でロール表面が準鏡面となっておりますので、研磨のたたきマークや送りマークはほとんどない状態となっております。今回はクロムめっきがもっている特徴を最大限に活かしつつ、逆にデメリット面を他のめっきでカバーをする応用例を紹介させていただきました。お問い合わせをお待ちしております。