Before (改善前)

ロールは、使用する環境を考慮したスペックによってはロール構造の設計を悩ますことがあります。
ロールを高速回転させて使用する環境では、ロールの重量をより軽くするためにセルの肉厚を薄く、軸となるシャフトを薄く細くして対応することが一般的です。ただ、ロール本体の軽量化に注視するあまり、めっき処理するのに必要な電気量が確保できない形状になってしまい、ロールの機能性を向上させることができない場合があります。
解決策が思いつかない場合には、ロールのスペックを落とす形状設計も検討していました。

V

After (改善後)

ロール構造を、セルは薄肉にし、軸のシャフトを細く・薄い形状でありながら、機能を付加するために、ロール軸にねじを設け通電用の治具を取り付けることで電気量を確保でき、めっき処理を行うことが可能となります。

この方法を採用することで、製品本体の形状をほとんど変更することなく軽量ロールにめっきに必要な電気量を確保できるため、ロールに機能性を付加するめっき処理が行うことができます。

この手法では、ロールスペックに影響を与えない設計変更となる為、ロール図面変更・承認が容易であると共に、製作に関わるコストアップも抑えることができます。

POINT(要約)

少しでもロールを軽くしたいという設計思想がある中で、めっきを施工するためにロールが重くなってしまう設計変更では本末転倒です。上記のように治具によってめっき処理を実現する方法は、既存の製品構造を極力生かしたまま最小限の設計変更で済むため、非常に有効なコストダウン手法の一つです。

この手法はめっき処理を伴う場合の高スペックのロール、ロールに限らずあらゆる機構部品のVE方法です。