Before (改善前)

溝付きロール(スリッターロール)に表面処理を実施する際に、溝形状がシャープ形状であった場合にはめっきの付き回りが他と比べ顕著に多くなり盛り上がり、ロールの表面にバラつきが発生します。
ロールの溝の一部が盛り上がることによって、溝付きロールに求められるしわ取りや蛇行運転の軽減という本来の用途、ならびに特徴を消してしまいます。
また、ロール表面のめっきの盛り上がりはめっきの割れを招く要因ともなり、メンテナンスコストの向上の要因にもなります。

V

After (改善後)

溝付きロール(スリッターロール)の表面処理に於いて、溝部分に均一なめっき膜厚でめっき加工を施すためには、溝の角部を設計段階でC面形状、またはR形状にしておくことがポイントとなります。

溝部分をC面形状、またはR形状にすることによって、めっき加工を施した際に角部が盛り上がることがなくなるため、溝付きロールに求められるロールと搬送物との離形成向上によるしわ取りや蛇行運転の軽減などを実現することができます。

POINT(要約)

溝付きロールなど(スリッターロール)などの特殊な形状をしたロールが必要となる場合には、その形状である理由・背景を知っておかなければ、最適な設計を行うことはできません。

上記の事例の場合には、溝付きロールはロールの溝によって離形性・潤滑性を確保する目的で使用されるロールであることを理解したうえで設計を行うことで最適な設計を行うことができます。