Before (改善前)

フィルム業界などで使用されるロールの中には、マット仕様(梨地仕様)のロールを使用することがあります。板巻材に直接ブラスト処理を行い、めっき処理を行うと溶接線が浮き出てしまい、品質トラブルの要因となります。
直径の小さいロールであれば、STKM13Aなどのシームレスのパイプがありますが、直径が大きくなりますとシームレスのパイプがありません。そのため、鍛造などでロールを製作する必要があり、コストの増加となります。

V

After (改善後)

使用環境にもよりますが、板巻材を使用し、ブラスト処理の前に下地にニッケルめっきや銅めっきを施工することにより最終のめっき処理後の溶接線の浮き上がりを防ぐことが出来ます。

その結果、下地のめっき工数が追加で発生してしまいますが、材料の選択肢が広がるので安価な材料や入手しやすい材料を選定することができ、材料手配~表面処理までのトータルでのコスト削減や工期短縮が出来ます。

POINT(要約)

板巻材に直接、ブラスト処理、めっき処理を施工すると溶接線が浮き上がり、品質トラブルの原因にもなります。

シームレスのパイプの入手が困難であったり、高額な場合には、安価な板巻材にニッケルめっきなどを施工してからブラスト処理をすることにより、品質要求をも満たしかつコスト削減が可能であります。